もうね。これは大好きなの。一番好き。ずっと好き。タイトルも素敵よね。
もともとは、辻仁成さんと江國香織さんによる共作小説で、2人の主人公がそれぞれの視点から描かれた物語。
わたしは二十歳の頃に、フィレンツェのドゥオモ(花の大聖堂)の写真をたまたま見て、恋に落ちたんですね。(あれは恋。ビビッときた。)
海外にも行ったことはないし、興味もなかったけど、ある日、目に飛び込んできた写真。
※後に筆者が撮影したもの
美しすぎて、美しすぎて、そしてなにかビビーっと来て、衝撃だったのを覚えてる。
それからすぐに、「ここ何?イタリアって?フィレンツェって?」って、「ひゃぁああ」って、色々調べたんでしょうね。どう行き着いたかは忘れたけど、写真を見てからすぐにこの映画に出会いました。
3大魅力ポイント
イタリアの美しい街並み、職人、芸術家たちへのリスペクトがすごい
作品の世界観の細かい描写に感動します。イタリアの方や国って陽気なイメージってありませんか?
イタリアの街で作中の舞台のフィレンツェ、ミラノが落ち着いた様子で描かれおり、本当に日常の一部を切り取ったような、見ているような感覚になれました。
主人公(順正)の仕事でもある絵画の修復師の存在や、彼らの工房でのシーンや、美術館を巡って勉強するシーン、自転車で街を駆けるシーン、過度に豪華でなくわざとらしくないアパートメント。何度見ても見入ってしまうよ。
順正はわりと素朴な生活をしていますが、一方でアオイの暮らすミラノも素敵です。観光地を少し抜けた生活圏。味のあるジュエリー店。
ミラノで新しい人生を歩んできたアオイの凛とした姿に憧れました。
作中では絵画や職人が大切な要素なのですが、決して、なんか・・イタリアの美術を扱っておしゃれにする用のテーマじゃなくて、真摯な姿を描いていて。胸を打たれたんだよな。
実際に私がその後出会って仲良くなったイタリア人って真面目で熱心、ギラギラチャラチャラさなんてなく寡黙な人も本当に多くて。(もちろん個性だからそういう判断しちゃいけないけど)そういう点でも、表現の仕方に丁寧さを感じます。
本当に素敵なのよ…
絶対に、あなたの知らないイタリアの一面だと思うな。
ワールドワイドなキャスト陣、多言語は耳への癒やし
主役二人を演じるのは竹野内豊さまと香港の俳優ケリー・チャンさま。
竹野内さんは言わずもがな、だけど、やはり今からするとかなり若くて、あどけなさもあるけど優しくて熱い瞳にあのお声で最高に素敵。
ケリーさんはキリッとした美女なの。役中でも悲しい部分を心に抱えていて、美しい顔立ちがゆえに少し近寄りがたい感じ。だから、時折笑ってくれたときのギャップがやばい。可愛すぎる。
と、んまー。美しいの。本当に。最初は大人のふたりから、大学生時代まで回想で描かれているから若き日のふたりも見られるんだけど、本当に輝かしい青春です。今の時代とは違う。90年代の恋人たち。あぶなげで、儚くて、尊くて。
そしてこちらの好きなところもう一つ(収まらない)国際映画なんですよね。そういう点も好みなんだ。日本語、イタリア語、英語が混ざって使われていて、主演のお二人が話す姿がまたチャーミング。私はこのケリーの話す英語が大好きなの。かっこいいの。当時すっごい真似しました。
もちろん他のキャストの方も素晴らしかった。個人的にはユースケ・サンタマリアさん。きっとちょっと平成のサラリーマンを思い出し、クスっとしつつ、男同士の不器用な友情にもグッと来るはず。
印象的なセリフ、シーンの数々
これも完全にわたしの独断と偏見と好みです。
" Duomo in Florence, is a Duomo for the lovers. A place to pledge their eternal love."
〜フィレンツェのドゥオモは恋人たちのドゥオモ。永遠の愛を誓う場所。〜
あえて語らないことにするけど、このフレーズをあんなに素敵に言えること、ない。
”10年後、一緒に登ってくれる?” ”いいよ”
絶妙。絶妙すぎる。ぜひ聞いて。耳が、胸がいっぱいになる。
"人は、一番好きな人とは一緒にはなれない"
・・・深いよね。誰が、誰に言うかによっても。
まとめ
何度も胸がきゅっとなる 切なく熱い愛の物語
若い日に出会った恋人たちが別れ、10年後偶然に再び出会うことになる。
それまで、どんなふうに生きてきたのか。あたなの心には私はいたのか。私はあなたを忘れられるのか。いつかまた会える気がしてしまう。
・・・・そんな恋って、あるよね。あったらそれは、とても豊かなことだと思う。
でもそんなに簡単じゃなくて。ハッピーハッピーなストーリー展開でもなくて。
恋の痛み。相手を思いやるがゆえの衝突。時を越える愛。 いろんな感情がとても丁寧に描かれています。
冷静と情熱のあいだ って作品名が最高だと思う。
一番、好きな恋愛映画です。
デジタル時代だからこそ、どっぷり時を見つめる純愛に、感情に浸かってみてほしい
作中の音楽も最高でしてね。
サントラもぜひ聞いて。二人にとってキーになる曲もいいんだよね。。
Enyaの音楽も映画の世界観にあまりにもマッチしているの。威厳があって、柔らかくて、やさしくて、透き通っていて。
はぁ。名作すぎる。
葉加瀬太郎さんの「冷静と情熱のあいだ」も作品を思い浮かべて聴くことができて心揺さぶられます。
どちらもいいけど、映画を観てから、
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本をじっくり読むのが、おすすめです。
冷静と情熱のあいだ Rosso
冷静と情熱のあいだ Blu
より各自の心情や状況が詳しく描かれているから、深く楽しめますよ。
辻さんの文章も色気があって好き。江國さんはやさしく知的。好き。
お読みいただき、ありがとうございます!
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